(事案の概要)

Bさんは通信業を営む会社を経営しています。

Bさんには3人の子供がいますが、長男は東京で就職し、福岡に戻ってくる気はないそうです。長女は福岡で生活していますが、会社には関わっていません。次男は会社に入社し、現在は次男が会社の経営を行っている状況です。

Bさんは、次男が会社を継ぐものと考え、自社株を次男に生前贈与しようと考えています。生前贈与することで特に問題は起こらないと考えていました。

 

(解決内容)

Bさんは、長男と長女が会社へ興味がなく、次男が後継ぎとしてやってくれているのだから、自社株を次男に生前贈与しても、長男や長女から苦情は出ないと考えていたようです。しかしながら、会社への興味がなくとも、相続財産に対しては相応の取り分を主張することはよくありますし、自社株や事業用財産が会社の存続にとって必要なことに対して相続人が必ずしも理解してくれないこともよくあることです。

そこで、Bさんの相続財産の評価を含めて、遺留分を侵害しない生前贈与のスキームを検討したうえ、生前贈与を実施しました。

Bさんが亡くなった後、長男から遺留分を侵害するのではという申し出がありましたが、事前の対策のとおり遺留分を侵害しないことを説明でき、スムーズな相続及び事業承継が実現しました。