マーケット・アプローチは、対象とされる企業の株式が、実際の市場で取引される場合を想定して、企業価値の評価を行うものです。この考え方に基づく評価方法には、市場株価法、類似会社比較法等があります。

市場株価法は、上場会社の株価を参照して、株式価値を評価する方法ですが、原則として上場企業のみが適用でき、上場会社以外の企業は適用できません。

類似会社比較法は、類似の公開会社の時価総額(事業価値)と財務数値の倍率を基に事業価値を算出する方法です。類似の上場会社としてどの会社を選択するのか、倍率指標の選定、倍率指標の当てはめなどが問題となります。

マーケット・アプローチは、市場の株価との比較という点から、客観性が高いという特徴があります。一方で、類似会社が存在しない場合には、採用が困難な場合があります。